2021年度から中学校でプログラミング必修化したという話を聞くことがありませんか?
でも実はこれは間違いで、中学校では2012年度からすでにプログラミングが必修化しています。
「技術・家庭科」の技術でプログラミングを学ぶことになっています。
では、なぜ「プログラミング必修化」という話を聞くのかというと、
したためです。
そして中学校でも「プログラミング教育の拡充」がしました。
じゃあ中学校の授業は何が変わるの?
高校受験に何か影響はあるの?
といった疑問が湧くかと思います。
本記事ではこうした疑問を解決していくため、中学校でのプログラミング教育について、拡充した背景や具体的に授業がどうなるか、高校受験への影響などを解説していきます。
中学校でのプログラミング教育は何が変わった?
2021年度から何が変わったのか?
簡単に言うと、これまでもプログラミングが扱われていたが「より広く、より具体的な内容まで扱うようになった」というのが2021年度以降の中学校のプログラミング教育です。
下の画像は中学校学習指導要領の抜粋です。
学習指導要領とは、文部科学省が発行している
学校でどんな授業をするか?というのを書いている文書です。
赤枠部がプログラミング教育に該当する部分です。
2021年度の方が明らかに
プログラミング教育が増えてますね!
出典:文部科学省
プログラミング教育拡充の背景は「STEAM教育導入」
出典:内閣府ホームページ
あまり知られていないかもしれませんが、プログラミング教育の拡充の背景には「STEAM教育」というのがあります。
文部科学省が「Society 5.0に向けた人材育成 ~社会が変わる、学びが 変わる~」という人材育成方針を発表し、STEAM教育を各教育課程に組み込みました。
そのSTEAM教育導入の一環で、プログラミング教育が拡充しました。
STEAM教育の「STEAM」とは、下記の5つの頭文字を組み合わせた造語です。
ちなみにSTEAMの読み方は、
そのまま「スティーム」です。
これから未来の社会において、固定概念を持たずに、世の中を変革していく人材を育成していくことを目標としています。
STEAM教育は「AIが発展した社会や超情報化社会でも活躍できる人材育成」を目指しています。
具体的にはSTEAM教育を実践することで、創造力や論理的思考力、問題解決能力が身につけられます。
10年後には今ある職業の半分はAIに
取って代わっている可能性もある
と言われています。
そんな中、これから時代を生きる子どもたちには新しい技術を生み出す創造力や様々な情報を活用しながら課題の発見・解決をしていく論理的思考力・問題解決能力が必要なのです。
プログラミング教育拡充の目的は?
文部科学省はプログラミング教育の狙いをこのように言っています。
生活や社会の中から情報の技術に関わる問題を見いだして課題を設定する力,課題の解決策を条件を踏まえて構想し,全体構成やアルゴリズムをアクティビティ図等に表す力,試行・試作等を通じて解決策を具体化する力,設計に基づく合理的な解決作業について考える力,課題の解決結果や解決過程を評価,改善及び修正する力や,安全・適切なプログラムの制作,動作の確認及びデバッグ等を行うことのできる技能,知的財産を創造,保護及び活用しようとする態
出典:文部科学省
度の育成(以下略)
簡単いうと、プログラミング教育の目的は、「プログラミング的思考力」と「情報技術を活用できる力」を育むことです。
さきほど紹介したSTEAM教育の「論理的思考力、問題解決能力」に当たります。
「プログラミング的思考力」とは、簡単に言うと「問題解決するために、プログラミング的に手順を決めて問題解決能力する論理的な考え方」です。
つまり、その問題を解決するのにあたり、その手順を使えば誰でも問題を解決できるような手順を作れる能力です。
このプログラミング的思考力は、あらゆる場面で役立つ能力で、ほかの教科の学習の土台にもなり、理解度が高まります。
あくまで、プログラミング言語を覚えたり、プログラミングの技能を習得するのが目的ではないということです。
プログラミング教育は、
プログラマー育成教育ではない!
実際どんな授業が行われる?
基本、プログラミングを扱う科目は「技術・家庭科」
次に具体的にどんな授業が行われているかみていきましょう。
といったような授業例が文部科学省から挙げられています。
さいたま市立岩槻中学校では、大人気ゲーム「ぷよぷよ」を題材にしたゲーム制作をするという授業が行われています。
ぷよを「落とす」「左右に移動する」「回す」「消す」という4パターンの基本動作のプログラムを組み合わせて、ゲーム制作に取り組んでいくという授業。
1人1台のパソコンが用意され、わからないところは周りの生徒たちと相談しながら進めていき、最終的にデバック作業(ゲームがちゃんと動くかどうかの確認作業)まで行っています。
出典:https://edu.watch.impress.co.jp/docs/report/1432106.html
プログラミング教育のための準備は必要か?
結論から言うと、
です。
パソコン操作は覚えておくべき!
パソコンの操作(タイピングやマウスの使い方など)は知っておいた方が良いです。
操作がままならないと授業の本題であるプログラミングの話についていけない可能性があります。
また、高校・大学でもパソコンを使った授業はありますし、社会に出てからもパソコン操作は付き物です。
パソコンの操作は、早いうちから
慣れておくことをおすすめします。
プログラミングスクールは通わなくても授業は大丈夫!
プログラミングスクールは
通わなくても授業は問題ないです。
プログラミングスクールでは「プログラムを作る」という方に主点を置いてます。
プログラムを作ることで結果として、プログラミング的思考力を鍛えられます。
ですが、プログラミングスクールはプログラミング的思考力を鍛える一つの手段として考えましょう。
「将来プログラマーになりたい」、「ゲームを作りたい」、「学校の授業を受けてプログラミングに興味が湧いた」などという子どもであれば通ってみてもいいかと。
でも、「学校の授業についていけるか不安だから」、「周りがみんな通ってるから」という理由で行くのは、はっきり言って時間とお金の無駄なのでやめましょう。
ただ、ほとんどのプログラミングスクールで無料体験を実施しているので、一度試しで行ってみるのは良いと思います。
また、スクール以外にもプログラミング的思考力を鍛える玩具やロボットも多く販売されていますので、プログラミング的思考力を積極的に養いたいと考えるのであれば、玩具やロボットなどの購入も検討いただければと思います。
高校受験への影響は?
プログラミング教育が高校受験に与える影響は少なからずあります。
まず「内申点」があります。
特に、公立高校では、技術・家庭科も含めた9教科の内申点を入学者選抜に用います。
私立高校でも内申点を重視するところがありますので、高校受験においては技術・家庭科の成績も大切になります。
ただ、筆記試験に「技術・家庭科」が科目として追加されることは、現時点では可能性として低いです。
ただ、私立高校の場合、数学の中に1~2問ぐらいプログラミングに関する問題が入ってくる可能性はあります。
実際、高校受験ではないですが、私立中学では入試問題にプログラミングを採用している学校もあります。
ですので、私立高校ではプログラミングが
科目として採用される可能性もあります。
ちなみに、大学入学共通テスト(センター試験の代わるテスト)にはプログラミングを含む「情報」という科目が2025年度に追加される予定です。
近い将来、高校入試も変わるかもしれません。
現時点では、プログラミングのスキルがそのまま受験対策に直結するわけではないものの、「プログラミング的思考力」を身につけておくことは大切です。
まとめ
中学校のプログラミング教育は2012年から始まっていて、2021年に内容が拡充されました。
そして、プログラミング教育はプログラマー育成教育ではなく、「プログラミング的思考力」と「情報技術を活用できる力」を育むものです。
10年後には今ある職業の半分はAIに
取って代わっている可能性もある
と言われています。
そんな時代を生きていく上で、自ら考え、自ら選択し、自ら作り出していく力が必要です。
それが「プログラミング的思考力」や「情報技術を活用できる力」です。
ですので、是非プログラミング教育を肯定的とらえ、プログラミング的思考力などを鍛える機会を子どもへ与えてあげてください。