STEAM教育ってご存知でしょうか?
本屋さんでもSTEAM教育に関する書籍を見かけます。
テレビ番組でも教育特集などで紹介されていたりします。
「STEAM教育」とは、下記の5つの頭文字を組み合わせた造語です。
STEAMの読み方は「スティーム」です。
これら5つの領域を重視して、盛り込んだ教育方針を意味しています。
アメリカをはじめ、世界各国で積極的に取り組まれています。
日本では文部科学省が2018年から推進している教育方針です。
この教育方針によって中学校の学習指導要領が改訂され、授業内容が大きく変わりました。
では実際「学校の授業はどうなるの?」と思いますよね。
本記事では、STEAM教育導入で中学校の授業がどう変わったのかを解説していきます。
是非最後まで読んでください。
STEAM教育について詳しく知りたい方はこちらの記事も合わせて読んでみてください。
STEAM教育導入による学習指導要領の改訂
まず、学校の教育カリキュラムについてです。
学校の教育カリキュラムは、文部科学省が定める「学習指導要領」に基づいて編成されます。
その学習指導要領がSTEAM教育導入によって大幅な改訂されました。
これを新学習指導要領といいます。
新学習指導要領は、小学校では2020年度、中学校では2021年度から全面実施、高等学校では2022年度の入学生から年次進行で実施されています。
出典:政府広報オンライン
文部科学省や政府のサイトを見ると、新学習指導要領について長々と書いてあります。
簡単にいうと「社会の変化」に柔軟な「思考力、判断力、表現力」を身に着けるための教育を目指しています。
次に、具体的に中学校の授業では何が変わるのか解説していきます。
STEAM教育による学習指導要領の改訂内容は?
中学校の新しい学習指導要領には「理数教育の充実」が明記されました。
- 日常生活等から問題を見いだす活動(小:算数、中:数学)
- 見通しをもった観察・実験(小中:理科)
- 必要なデータを収集・分析し、その傾向を踏まえて課題を解決するための統計教育(小:算数、中:数学)
- 自然災害に関する内容の充実(小中:理科)
など、STEAM教育の観点から「課題発見・解決型」のカリキュラムを取り入れることが盛り込まれています。
昔の受動的で暗記するだけの教育から、
主体的な問題発見・解決力を伸ばす教育になっています!
出典:内閣府の「Society 5.0の実現に向けた教育・人材育成に関する政策パッケージ」から抜粋
具体的に授業はどう変わる?事例は?
まず、授業数が増えました。
全体で実質10%程度の授業時数が増加してます。
週で言うと、週1コマ増えてます。
授業の内容でいうと、数学・理科では観察・実験やデータ分析といった内容が充実しました。
一番大きく変わったと思うのは「プログラミング教育」です。
改訂によってプログラミング教育の内容が拡充しました!
中学校のプログラミング教育について、よく誤解されるのですが、実は2011年の段階ですでにプログラミング教育が必修となっています。
プログラミングを扱う教科は「技術・家庭科」です。
しかし、カリキュラムの都合上、プログラミングは後回しにされて、プログラミングの授業までたどり着いていない学校も多くあったようです。
今回のプログラミング教育の充実によって、すべての学校でちゃんと実施されるでしょう。
中学校でのプログラミング教育の具体的な事例①
出典:https://edu.watch.impress.co.jp/docs/report/1432106.html
さいたま市立岩槻中学校では、大人気ゲーム「ぷよぷよ」を題材にしたゲーム制作をするという授業が行われています。
ぷよを「落とす」「左右に移動する」「回す」「消す」という4パターンの基本動作のプログラムを組み合わせて、ゲーム制作に取り組んでいくという授業。
1人1台のパソコンが用意され、わからないところは周りの生徒たちと相談しながら進めていき、最終的にデバック作業(ゲームがちゃんと動くかどうかの確認作業)まで行っています。
出典:https://edu.watch.impress.co.jp/docs/report/1432106.html
中学校でのプログラミング教育の具体的な事例②
出典:https://www.watch.impress.co.jp/kodomo_it/news/1239117.html
渋谷区立鉢山中学校では、プログラミングを使ったアニメーション制作をするという授業が行われてました。
「Lua(ルア)」というプログラミング言語を使って制作を行っています。
一般的に子供向けのプログラムツールは「ビジュアルプログラミング言語」と呼ばれるプログラムが設定されているブロックを組み合わせていくものが多い中、Luaはテキスト言語。
それでも、不慣れなタイピングをしながらプログラムを完成させることが出来たようです。
最初からすべてを理解することを目指してなく、
見本を真似して、プログラムが動くということを実感するのが大切!
そして、プログラミング的思考力を身につけるのが一番大事!
出典:https://www.watch.impress.co.jp/kodomo_it/news/1239117.html
中学校でのSTEAM教育に向けて準備は必要?
特に焦って準備する必要はないです。
数学や理科に関しては、授業数が増えているので、学習する範囲が増えています。
でも、復習をしっかりやってれば、問題ないです。
授業も受け身で暗記するだけじゃなくて、主体的な実験や課題が増えているので、先生や学校にもよりますが、興味をもって取り組めるようになっていくのではないでしょうか。
プログラミング教育については、最近習い事として「プログラミングスクール」が話題となっています。
スクール自体の数も随分と多くなりました。
「プログラミング必修化・拡充」と聞いて、スクールに入会した方も多くいるみたいです。
でも、プログラミング教育を通して、「プログラミング的思考・問題解決能力」を育成するのが目的です。
プログラムを書けるようになるのが目的じゃない!
なので、プログラミングスクールには行かなくても問題ないです。
授業を受けて、興味がわいた!
ゲームの制作に興味がある!
とかだったらスクールに通う価値があると思います。
無料体験のスクールも多くあるので、試しで行くっていうのもありですね。
まとめ
今回はSTEAM教育導入で中学校の授業がどう変わるかをお話しました。
STEAM教育導入よって新学習指導要領が作られ、2020年から全面的に実施されています。
理数科目の充足が図られており、特にプログラミング教育の拡充・質の向上が見られます。
もっとSTEAM教育が浸透して、教科の垣根を越えた人材育成が進めばと思います。