文部科学省のSTEAM教育推進により2017年、18年に学習指導要領改訂されました。
出典:政府広報オンライン
それにより小中高すべてで、理数科目の充足によって新科目追加や授業数の増加、課題解決型の主体的な学習へのカリキュラム変更などいろいろと変わりました。
その中でも特に大きく変わったのが「プログラミング教育の導入・拡充」ではないでしょうか?
小学校の授業ではプログラミング教育が取り入れられたり、いままで学校ごとでの選択制だった高校でもすべての生徒がプログラミング必修となりました。
また、2024年をめどに大学入学共通テスト(旧センター試験)の出題科目になるとされています。
なんでこんなにプログラミング教育に力を入れてるの?
プログラマーを目指さないなら要らないんじゃない?
という疑問がわくと思います。
もちろん、情報化社会が進んでいるというのもあるんですが、プログラミングを学習することである能力を身につけることが出来るんです。
その能力というのが「プログラミング的思考力」です!
では、「プログラミング的思考力」とは、一体どんな能力なのでしょうか?
本記事では、「プログラミング的思考力」とは何かについて詳しく解説していきます。
また、プログラミング的思考力を養うメリットや能力を向上させる方法も紹介していきます。
是非最後まで読んでください。
プログラミング的思考力とは?
文部科学省は「プログラミング的思考力」をこのように定義しています。
自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力
出典:文部科学省
わかりやすく言うと、
「問題を解決するため、最適な方法を模索する力」
ってことです!
では、具体的な例を挙げて、プログラミング的思考を紹介します。
例えば「家から駅まで行くには?」と考えてみます。
単純に考えれば、「歩いて駅まで行く」となりますが、細かく分解して考えるとこんな感じになります。
- 靴を履く
- 家のドアを開ける
- 家のドアを閉める
- 家のドアのカギをかける
- T字路を左折
- 〇〇交差点を右折
- □□道路を渡る
- 駅に着く
といったように、普段の何気ない行動も、手順を細かく分け、組み合わせで考えられます。
上の例で考えると、⑤~⑦の手順は、(自分で想像して)道を変えれば、もっと単純になるかもしれませんよね(最適化できる)。
このようにプログラミング的思考によって
という力が養えるんです。
実際のプログラミングでも、このように分解された手順を適切に組み合わせる必要があり、その過程で物事を組み合わせる力が身に付きます。
なぜプログラミング的思考力が必要なのか?
小学校~高校でのプログラミング教育は、プログラミング的思考力を養うことが目的です。
プログラマーを育成する教育ではない!
ではなぜ、今の子どもたちはプログラミング的思考力を身につけておいた方が良いのでしょうか?
簡単に言えば、大きく時代が変化しており、その社会を生き抜くための武器となる能力だからです。
AIが台頭し、IT化が進み社会が変わってきている
私たちの生活は数十年前とは比べ物にならないほどの進化を遂げました。
この進化にコンピュータが大きく影響していることは誰の目にも明らかでしょう。
今の世界はIT技術なしでは成り立ちません。
しかしIT技術はまだまだ進化を続けており、コンピュータやこれに関連した技術はより一層生活でも仕事でも欠かせないものになっていきます。
また、AIも進化し続けています。
10年後には今ある職業の半分はAIに
取って代わっている可能性もある
と言われています。
そんな中、これから時代を生きる子どもたちには新しい技術を使いこなすスキル、プログラミングを通じ新しいものを生み出すスキルが必須です。
そのスキルこそが今回お話ししている「プログラミング的思考力」なのです。
プログラマーやシステムエンジニアを目指さない人なら必要ない能力なのでは?
と思うかもしれませんが、それは数学者にならなくても数学を学ぶ必要があるのと同じことです。
プログラミング思考力を養うことは基礎的な能力育成であり、本格的に使わないから必要ないという類の能力ではなくなっているのです。
ですから、時代の変化に追いつき、そして未来を切り拓いていくためにも、今の子どもたちには、プログラミング的思考力を養う必要があるのです。
プログラミング的思考力を身につけるメリット!他の教科の学習が効率的に?
プログラミング的思考力を養うと、
他の教科の学習にも好影響があります。
先ほど話した
という力が思考の基盤となり、学習が効率的になります。
ただ暗記したり問題を解いたりするより、プログラミング的思考が土台となっていれば、「こうした方が簡単に問題を解ける」「この話とあの話は繋がってるから、一緒に覚えたほうが良い」とか考えることができ、理解度が深まります。
実際、「プログラミング的思考力を鍛えることでIQに大きな効果があった」ということが実証実験で確認されています。
STEAM教育教材に「ワンダーボックス」という教材があり、この中に「シンクシンク」というアプリがあるんですが、これによってIQの向上したということです。
出典:https://think.wonderfy.inc/#point3
プログラミング的思考力の身に着け方
プログラミング的思考力は考え方の土台といえる能力です。
短期間で身につけられるものではありません。
ですが、毎日の生活の中に少しずつプログラミング的思考を取り入れることができます。
日々のトレーニングすることで、プログラミング的思考に慣れてみましょう。
ブロック、パズル
ブロック遊びやパズルなどのおもちゃも、遊びを通して効率的にトレーニングすることができます。
自分で試行錯誤して考えるので、プログラミング的思考力の基礎が養われます。
スマートフォンやタブレットを子どもに使わせることに抵抗がある方にもおすすめです。
家事のお手伝い
家事のお手伝いによってもプログラミング的思考力を養えます。
特に、料理や洗濯はぴったりの題材です。
「味噌汁と作る」や「洗濯機を回す」といった簡単な作業も、いざ子どもが実践すると、細かく手順を分けて考えていく必要があります。
最初から、全部の手順や方法を教えないで、子どもに考えてもらうようにするのも効果的です。
教材アプリ・ゲーム
プログラミング的思考を楽しく身につけるには、子ども向けのアプリやゲームもおすすめです。
机に向かうのが苦手な子でも、
ゲームであれば楽しくできます!
スマホやタブレットがあれば始められるので、誰でも気軽にプログラミング的思考を身につけるための学習ができます。
おすすめのアプリは先ほどちらっと紹介した「ワンダーボックス」というアプリ(+教材も家に届きます)。
気になった方はこちらの記事も合わせてご覧ください。
プログラミングスクール
最も効率的にプログラミング的思考力を身につける手段としては、プログラミングスクールに通うことです。
「プログラミング教育の導入・拡充」によって、プログラミングスクールやプログラミング教材に興味を持ち始めた方も多いようです。
実際、「子どもにさせたい習い事は?」というアンケートで2位にプログラミングスクールがランクインしています。
出典:マイナビニュース
ほとんどのプログラミングスクールでは、無料体験を行っています。
実際に通うか通わないかは別にして、試しに行ってみるのはありです。